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看護学生が座位睡眠しながら書いてます

【#カンベアドベント】幻のアトラクション「クリッターカントリー500」

Howdy, folks!!


ユーキャンさんが懐によく切れるナイフをチラつかせながら脅すので、去年に引き続きカンベアドベントに参加することになってしまったジャンクションです。



突然ですが、

皆さん大好きな「カントリーベアシアター」にはスピンオフのアトラクションが企画されていたことをご存知でしょうか。その名も「クリッターカントリー500」!今回はこのアトラクションについてお話ししていきます。






1971年10月1日、ディズニーがウォルトディズニーワールドのマジックキングダムにオープンした「カントリーベアジャンボリー(当時の名称)」はゲストからの大好評を得ました。これを受けて、急遽1972年3月4日にアナハイムのディズニーランドにもこのアトラクションをオープンすることが決定しました。そのときディズニーランドにあった「インディアンビレッジ」は取り壊され、「ベアカントリー」というエリアごと開発、しかもシアターは1つだったものが2つ設置されたということから、カントリーベアジャンボリーの人気は絶大であったことが伺えます。それほどの人気ですから、この頃はカントリーベアジャンボリーについて「寝る場所」「シアター2つもいらない」とか失敬なことわざわざ言う人(バカ)(アホ)(マヌケ)はいませんでした。いい時代!



カントリーベアジャンボリーはオープンから人気が衰えることなく、1983年の東京ディズニーランド開演時には、オープニングアトラクションとして華々しく日本デビュー!このとき存在した全てのディズニーパークに存在するアトラクションとなりました。


また、1984年からクリスマスバージョンの「カントリーベア・クリスマススペシャル」が、1986年から夏休みバージョンの「カントリーベア・バケーションホーダウン」が新たにスタートしました。この2バージョンは東京にも輸出され、それぞれ「ジングルベルジャンボリー」「バケーションジャンボリー」として現在に至るまで大人気を博しています




が、




1990年代、ディズニーの経営陣はカントリーベアジャンボリーの人気が落ち着いてきたため(落ちてはない)、彼らはイマジニアたちに魅力的な再開発プランを求めました。いよいよやってきたカントリーベアシアター解体の危機です。映画『カントリーベアーズ』さながらのカンベア再生計画が始まりました。



そしてカントリーベアを愛するイマジニアたちが考えたアトラクションが、''Critter Country 500''だったのです。(以下クリッターカントリー500と表記)




https://twitter.com/boss_angeles/status/1081228856948797440



クリッターカントリー500」は、NASCARをテーマにしたダークライドで、内容は「トード氏のワイルドライド」に近いものです。カントリーベアたちが主催するレースに参加し、クリッターカントリーの山々を駆け抜けるというストーリーです。


ハンナ・バーベラ制作の1968年のテレビアニメ「チキチキマシン猛レース」には、ポッポSLという田舎者とクマが操縦するレーシングカーが登場しますが、これがおそらく元ネタとなっています。



https://www.flickr.com/photos/cartercollectables/8384443053



では、なぜカントリーベアがNASCARのようにレースをするのでしょうか。詳しくは下記の記事を参照していただきたいのですが、手短に説明していきます。




18世紀、スコットランドからアメリ東海岸に到達した人々は、アパラチア山脈に住むようになりました。先にイングランド系の移民がニューイングランド一帯の土地を開拓していたためです。貧しかったスコットランド系移民たちは「hill(丘陵)のbilly(スコットランド人)」という意味で「ヒルビリー」と呼ばれるようになりました。彼らがカントリーベアたちのモデルとなっています。

ヒルビリーは蔑称なので、以下回りくどい表現を用いますが、ご了承ください。


ヒルビリーと呼ばれる人々、ひいてはアメリカ南部の貧乏な白人たちは、野外で長時間働いて首に日焼けをしているということから「レッドネック」と呼ばれています。『カーズ』に登場するメーターが南部訛りで話すのは、彼をレッドネックとして描いているからです。ちなみにシュレックも同じ理由で南部訛りで話します。


南部のヒルビリーと呼ばれる人々が住むアパラチア山脈の土地は傾斜が激しいので狭く、やせているので、そのような土地でも育ちやすいトウモロコシが栽培されました。また、ウシよりも小さな土地の中で飼えるブタやニワトリが家畜にされました。


しかし、それではなかなか稼げないため、トウモロコシからコーンウイスキーを作るようになりました。禁酒法の時代、ヒルビリーが作った密造酒は警察の目をかいくぐりアメリカ中に広がります。しかし、運搬の途中で警察車両に追われることもあるため、人々は「ストックカー(=売れ残りの車)」を改造して、よりスピードが出るように改造しました。この改造車のスピードを競い合ったことで始まったのがストックカーレース、現在のNASCARなのです。NASCARピクサー映画『カーズ』にも登場しているレースです。特にデイトナ500インディ500などのレースは聞き覚えがあると思います。


このような経緯があり、ヒルビリーと呼ばれる人々をモデルとしたカントリーベアがレースをするという「クリッターカントリー500」が考えられました。





さて、「クリッターカントリー500」にはヒルビリーと呼ばれる人々の文化が詰め込まれています。ここからはイマジニアのChristpher Merrittさんが描いたコンセプトアートのネタを一つ一つ紹介をしていきましょう。



https://twitter.com/boss_angeles/status/1081228856948797440


ビッグアルとゲストが木製の車でアパラチア山脈を駆け下りている様子が描かれています。垂れ幕には''1st Annual Critter County 500''と書いてあり、第一回目の開催であることがわかります。そして500というのは500マイルという意味で、先述のデイトナ500インディ500などのレース名をパロディにしたものです。





https://twitter.com/boss_angeles/status/1081228856948797440


こちらはレースの解説を務めるヘンリーとチェッカーフラッグを振るコースオフィシャルを務めるサミーです。ESBNはディズニー傘下のスポーツチャンネル、ESPNのパロディです。文字が反転しているのは「ヒルビリーは頭が悪い」というある種ステレオタイプ的なものです。




https://twitter.com/boss_angeles/status/1081228856948797440


こちらは車体番号2番、蒸留機を改造して作られたアーネストとゴーマーの車です。後部にトウモロコシが山積みになっていることから、トウモロコシを発酵させ蒸留し精製したアルコール燃料で走っていることがわかります。


車体前部に乗っているのは彼らの家畜、ブタさんです。ブタの鳴き声をクラクションに使用しているということですね。


ゴーマーは石鹸箱に座っています。余談ですが、ソープボックスレースという石鹸箱を改造してレースをする文化があり、このアトラクションの設定にも影響を与えています。ちなみにソープボックスレースは日本でもレッドブル主催で行われています。





https://twitter.com/boss_angeles/status/1081228856948797440


こちらは車体番号4番、テッドの車です。テッドは瓶ではなく帆を吹き、その風力で走ります。この帆はよく見るとオーバーオールが使われていますが、オーバーオールは肉体労働者が多いレッドネックがよく着るとされている服です。


車体後部には建物が付いていますが、これアウトハウスと呼ばれる野外便所です。よほどクサいのか、換気用のパイプもついています。アメリカ南部の貧しい人々は水道を整備できなかったため、このようなボットン便所をつくりました。特徴的な三日月マークのドアは『シュレック』にも登場しましたね。余談ですが、スマブラのステージ「ジャングルガーデン」の左側にもアウトハウスがあります。


また、上部についている多翼型風車はアメリカ南部や中西部に見られる揚水用の風車です。テッドの風力をここではアウトハウスの洗浄に使っているようですね。まさにクリーンエネルギー(うまい)







このような秀逸なアイデアを出し、イマジニアの皆さんは必死にカントリーベアの延命を図りましたが、残念ながら経営陣は却下したのでした。愚断!!


アナハイムディズニーランドのカントリーベアジャンボリーは2001年9月9日にクローズされ、29年の歴史に終止符を打ちました。跡地には「プーさんの冒険」というアトラクションがオープンしました。


しかし、イマジニアのカンベア愛は消えることはありませんでした。「プーさんの冒険」にはマックス、メルビン、バフが隠されていて、カントリーベアジャンボリーへのリスペクトが込められています。



経営陣にゲストのカンベア愛が伝わらなかったことで、ディズニーランドのカントリーベアジャンボリーの歴史は幕を閉じてしまいました。


私たちの東京版カントリーベアジャンボリーは消えることがないように、幻のアトラクションにならないように、いつまでも愛を注いでいきましょうね!


以上!


お誘いしてくださったユーキャンさん、ありがとうございました!クリスマスまであと2日!